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ヘルシンキ市立美術館(HAM:Helsinki・Art・Museum)は2015年に完成し、主に国内外の近現代美術を展示しています。ムーミンの原作者であるトーベ・ヤンソンに関する多くの原画を見ることができます。2018年のフィンランド旅行ではヘルシンキカードを使い、無料で施設を見学してきました。
- ヘルシンキの美術館としては近代感を打ち出した作品が多く展示されている
- ヘルシンキ五輪のテニス会場だった場所を改修してつくられた
- ムーミン作者のトーベ・ヤンソンによるオリジナル画「田舎のパーティ」「都会のパーティ」「遊び」などが常設展示されている
ヘルシンキ市立美術館(HAM)はテニス施設2階にある
ヘルシンキ市立美術館は地下鉄カンピ駅から北西に路地を1本挟んだところにあります。土地勘がないと苦労するかもしれませんが、ヘルシンキ中央駅からでも十分徒歩圏内の距離です。
ヘルシンキ市立美術館は「アートは心のポップコーン」といういかにも近代的なキャッチフレーズの下、9000点の美術作品が所蔵されています。また、学校や図書館のために購入された美術作品はHAMのコレクションの一部だそうです。
入館料:大人12ユーロ(2019年6月時点、ヘルシンキカード使用で無料)、18歳未満は無料。
営業時間:11:00〜19:00
定休日:月曜日
交通:地下鉄カンピ駅(kampi)、トラムなら7,9番のkampintori駅から3分程度
外観はうっかり撮影し忘れてしまったのですが、白を基調として中央にアーチのある体育館風の建物です。2015年秋に新設されたと聞いたわりに古そうな印象をウケましたが、もともと「テニスパラッチ」と呼ばれるテニスコートを利用した作られた経緯があり納得しました。
ちなみに、テニスパラッチには飲食店や映画館も入っています。
1940年に開催予定だったヘルシンキ五輪(戦争で開催中止となり52年に開催)に合わせて作られた室内テニス競技場で、1937年に完成した。
ヘルシンキ市立美術館(HAM)の入り口
ヘルシンキ市立美術館は、テニスパラッチの外観とは裏腹に、とても近代的でポップテイストな館内でした。
エントランスやエスカレーターは原色使いのロゴで派手なのですが、メリハリが効いているので、下品な印象はありません。むしろ、どこかフィンランドらしいモダンな感じがするのです。
クロークで衣類を預けたら、いよいよトーベヤンソンの原画を見ることができます。
ヘルシンキ市立美術館(HAM)の内容
トーベ・ヤンソンの紹介文
ヘルシンキ市立美術館で最初に出会ったのは、トーベヤンソンの生い立ちと功績をたたえる紹介文でした。
何気なしにトーベの紹介文や展示品の説明をふんふんと読んでしまいましたが、ヘルシンキの美術館でちゃんとした日本語に出会えたことに、今更感動しています。それとも、昨今のムーミン人気で日本人観光客が多いから日本語を載せているのでしょうか。
トーベ・ヤンソン「田舎のパーティ」「都会のパーティ」
トーベ・ヤンソンの代表作のひとつ、「田舎のパーティ」と「都会のパーティ」です。
例によって日本の解説文に詳しく書かれていましたが、作品は高さ203センチ、幅531センチの巨大なフレスコ画です。
豊かな自然の中で思い思いに楽しむ「田舎」と、優雅な衣装に身を包んだ人々の様子を描いた「都会」の対比が楽しめます。
ところで、「田舎」と「都会」2つの絵には、それぞれムーミンが隠れています。細かく描かれた絵を隅々まで確認すると、うっすら白く描かれたムーミンがたたずんでいますよ。
トーベ・ヤンソン「遊び」
トーベ・ヤンソンのオリジナル壁画「遊び」の前まできました。ムーミンに登場するおなじみのキャラクターが描かれています。
壁画「遊び」はトーベが1955-56年、アウロラ小児科病院に描いた作品です。同病院がアート作品をコンペで募ったところ、トーベが「遊び」というペンネームで応募したそうです。
脳波検査室の天井にリス、階段の壁におとぎ話やムーミンの物語に登場するキャラクターたちを描きました。
「遊び」の絵の前には、紙と色鉛筆がまとめて置いてありました。脇の注意書きにいろんな言語で何か書いてあります。
「みんなはどこへ急いでいるのでしょうか、描いてみましょう」
なぜ、このようなことが書いてあるのでしょうか。解説文には次のように書かれていました。
壁画制作に関して、トーベは細かい指示を受けていた。
建物の階段ホールの壁画は、病院にいることを意識させないように、子どもたちの興味を引きつける内容であること。
加えて、階段を上ってもっと絵を見たくなるような工夫を施して、実際そこにあるのは検査室だと気づかないように二階まで誘導し、プレイルームのような待合ロビーを配置すること。
なるほど。トーベは病院側の意図に沿う形で、子どもを検査室へと誘導するようにキャラクターが階段を登る絵を描いたのですね。
ペッカ・カウハネン(Pekka Kauhanen)の彫刻展
2018年1月にヘルシンキ市立美術館を訪れた時には、フィンランド・エスポー在住の彫刻家「ペッカ・カウハネン」の作品展が開催されていました。
シュールレアリズム的な世界観の彫像ばかりでした。興味のある方はご覧ください。
ヘルシンキ市立美術館まとめ
私がヘルシンキ市立美術館を訪れた時(2018年1月)は入館料が10ユーロでしたが、2019年6月に記事を書くために調べたら12ユーロに値上がりしていました。
当時はヘルシンキカードを使って無料で美術館巡りをしました。ヘルシンキカードの使用レポートは以下のリンクから移動できます。
公共サービスや美術館施設などは年々値上がりしている傾向が見られるので、常に最新の情報を確認してください。
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