フィンランドでは、アルコール度数が4.7%以上の酒は、政府が認可した受けた店でした売ることができないことをご存知ですか。アルコール度数が高い酒は、政府管轄のリカーショップが「アルコ(Alko)」という専門店で購入できます。
今回の旅行では、許可を得た上で店内にあったお酒を撮影させていただきました。
フィンランドの酒価格は日本よりずっと高い
店内の酒の値段を眺めていると、価格は概ねアルコール度数に比例していることがわかりました。アルコール度数5.3%のビール500mlなら、おおよそ3ユーロ台中盤が相場といったところでしょうか。日本円に換算すると1缶で400円ほどかかるので、けっこう高いと思った方もいるのではないだろうか。
日本の酒もフィンランドで売っていた
海外らしいデザインのお酒がずらりと並ぶ中で、見覚えのあるパッケージが目に飛び込んできました。 チョーヤの「さらりとした梅酒」、日本酒の「白鶴」、アサヒ飲料「スーパードライ」などを発見。チョーヤの梅酒は紙パックからビンで販売されており、32ユーロとかなり高い。一方、スーパードライは2.99ユーロと地元産ビールよりも安く、良心的(?)な値段設定だった。
フィンランド定番のビール「カルフ」
実は、筆者は酒に弱く、普段もほとんど酒を飲まないのですが、現地の味を知ろうと酒を買ってみました。アルコで手に取ったのは、フィンランドでは神の使いとされる動物「クマ」にちなんだ「カルフ」というラガービールでした。どうやらフィンランドでは大定番の一品らしいです。
カルフはアルコール度数(5.3と4.6度)によって値段が異なりました。アルコでは5.3度のものが売られていましたが、4.6度と度数が低めの商品もKマーケットのようなスーパーで山のように販売されていました。せっかくなので、筆者はあえてアルコで5.3度数のカルフ(350ml)を購入してみました。
ホテルに帰って、アルミ缶のカルフのプルタブをプシュっと開ける。アルミ缶は日本のそれより薄めでベコベコしていた。普段は酒を飲まないため、味の評価はしにくいものの、いわゆる「キレがよい辛口」という感覚に近いと思われる。飲酒後、筆者はすぐにベッドで横になったしまったことは言うまでもありません。
他のフィンランド産ビールは?
フィンランドで売られているビールは、カルフの他にも「コフ」「ラピンクルタ(ラップランドの金)」あたりが定番らしいです。真っ赤なデザインが特徴的なコフは、夏になると運行する「ビールトラム」のデザインにも採用されています。ラピンクルタは北極圏の水で生産されたピルスナーとのことです。
フィンランドの国民酒はウオッカ
フィンランドでいうところの国民酒にあたるのは「ウオッカ(Vodka)」。ウオッカといえばロシア的なイメージが強いが、お隣であるフィンランドもまた、度数の強い酒をくらい、極寒の地をしのぐのでしょうか。
ウオッカの中でも、特に有名なのは「コスケンコルヴァ」。日本にフィンランドの生活を知らしめた映画「かもめ食堂」に登場した酒(夫に逃げられた客に「ウオッカはあるか」と聞かれて、主人公と一緒に飲んだ酒)と聞いてピンとくる人もいるのではないでしょうか。 コスケンコルヴァはサルミアッキ味も発見したが、味は想像もつかないというのが本音です。
サウナのお供にロンケロ
フィンランド国民にとって、生活の重要な一部となっているサウナ。サウナで汗をかいた体を潤す定番の酒は、通称「ロンケロ(ロングドリンク)」です。ロンケロは、ジンをグレープフルーツジュースと炭酸で割ったもの。他にも、ラボニアと呼ばれるリンゴンベリーリキュールは、カクテルに入れると相性バツグンらしいです。
アルコの入り口には警備員、物々しい店内
アルコに入ると、黒い警備服を着たガタイの良いお兄さんが出迎えてくれた。スーパーやデパートでは見られない光景で、別に悪いことをしているわけではないのに、なんだか入るのがためらわれる。意を決して入店すると、店員さんが「何かお探しですか」と明るく振舞ってくれたが、外国人には入りにくい雰囲気をしています。
フィンランド人は、酒をスウェーデンで購入する?
うろ覚えで恐縮なのですが、ちょっと昔(2016年ごろだったと思う)にテレビ番組で、フィンランド人は酒を買いにフェリーでスウェーデンまで行くという話を見たことを思い出しました。
アルコに寄って実感しましたが、確かにフィンランドは酒がべらぼうに高く、同国の付加価値税を考慮しても日本とは比べものにならないと思います。輸入したスーパードライより、定番のカルフビールのほうが高いのだから、不思議なものですね。
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