フィンランドのスーパーなどを訪ねると、日本食や日本雑貨がたくさん置かれています。フィンランドで日本食が普及したのは、ヘルシンキにある「東京館」という店が大きく貢献していることを、テレビ番組で知りました。2019年のヘルシンキ旅行では、興味を抱いた東京館を訪ねてきました。
ヘルシンキの「東京館」とは
東京館は、ヘルシンキで日本で販売されている食料品や雑貨を販売しているお店で、経営者は冨田憲男さんという方です。
1986年にフィンランドに移住した富田さんは、当地で日本食を仕入れるため、わざわざスウェーデンまで買いに行く苦労をしたのだとか。そんな経験をもとに、フィンランドでも日本食料品を買えるお店を作ったのがきっかけだったようです。
筆者がフィンランドの東京館を知るきっかけとなったのは、2018年12月に放送されたテレビ「陸海空制覇するなんて」という番組でした。番組では「フィンランドにおける最も有名な日本人は誰だ」という企画で、現地住民に聞き回っており、その中で冨田さんは一般人にもかかわらず第9位にランクインしました。
冨田さんは、フィンランドに桜の木を植えて、日本の「花見」を広めたことでも知られているようです。フィンランドでの活躍が認められ、2019年に迎えた日本とフィンランドの国交樹立100周年の企画も担当しているそうですよ。
ヘルシンキ「東京館」の場所
日本食などを販売している東京館の場所は、ヘルシンキ中央駅から南西方向に15分程度歩いたところにあります。
いわゆるメーンストリートではなく、観光客はあまり歩かないちょっと奥まった裏路地にあるので、少しだけ探しにくいかもしれません。
最寄りはデパートを併設しているカンピ駅から南東方向に歩くか、北欧最大級のデパート「ストックマン」から南西に直線的に歩くのがよいかと思われます。
ヘルシンキ「東京館」の内容
筆者は、2019年のヘルシンキ旅行の中で、実際に東京館を訪れました。ヘルシンキではよく見かける雑居ビルの1階に店舗があります。
東京館の店舗目の前まで来てみると、ガラスのショーウィンドーには、日本食品や陶器、雑貨が所狭しと並べられています。
ラムネや招き猫、祭りうちわなど、外国人が好みそうなステレオタイプ的な日本の品々がずらり。なぜか、動物柄の茶碗や皿、箸置きがたくさん置かれているのは、現地人の好みだからなのでしょうか。
参考までに、画像ではほぼ見えませんが、手前に置いてあるパンダや猫、蛙の大きめの食器は14.6ユーロ(1ユーロ125円換算で1825円)です。なんとなく高い気もしますが、外国だとこのくらいの価格設定でなければ商売にならないんですかね。
東京館の入り口付近には、2018年カンヌ国際映画祭で最高賞を獲得した映画「万引き家族」のポスターが堂々と掲示されていました。そのうち、フィンランドロケで2019年2月から公開される「雪の華」にでも変わるのでしょうか。
東京館の店内
東京館の店内に入ると、店頭付近は日本の食料品でいっぱい(写真撮影するのを忘れました)。中心はやはり長持ちするレトルト食品やお菓子、飲み物の類がほとんどでした。全体的な印象値段は日本の値段の2.5倍程度くらいかなあと思います。
テレビで見た東京館の一番人気は、ごまドレッシングらしいです。フィンランドでは健康食品として大変ウケているのだそう。
東京館は日本で売られている食品ばかり置いてあるのかなと思いきや、店の奥へと進むと包丁や着物まで販売していましたよ。日本人である筆者は全く興味は湧きませんが、日本好きのフィンランド人にはたまらない品なのでしょう。
東京館の客比率はフィンランド人が7割
ちなみに、東京館を訪れる客の比率は、現地フィンランド人が全体の7割とか。そういえば、ヘルシンキ市内を歩くと日本名を冠したお店も多いし、和食を売りにしたお店もたくさんあります。こうしたお店が、東京館を通じて食材を仕入れるのでしょうか。
ヘルシンキには日本人観光客向けのショップが多く見られますが、東京館は日本人が訪れるというより、日本好きなフィンランド人が訪れる店という位置付けのようです。
日本人はフィンランドにいると日本食が恋しくなるでしょうが、東京館で買うとけっこう高いと感じるはずなので、日本からたくさん持ち込むことをおすすめします。
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