2018年1月28日に行われたフィンランド大統領選では、現職のサウリ・ニースト氏が6割以上の支持を得て圧勝しました。それよりも日本で話題になったのが、大統領選をPRするために国営放送が制作した動画が話題を呼んでいます。なにしろ、なぜか日本語のフラッシュアニメ風に作られているのですから。
フィンランド国営放送YLEが制作したアニメ
フィンランドには日本でいうところのNHKのようなメディアがあります。「YLE(Yleisradio)」と呼ばれ、旅行先のホテルでもまさにNHK的なお堅いニュースやドキュメントばかり放送されていました。
そのYLEが制作したのが、鷹の爪団へのオマージュのようなフラッシュムービーで作られているのです。まだ観ていない方はまずご覧ください。
フィンランドの公共放送YLEが、明日の大統領選への関心を高めるために作成した動画。音声はなぜか日本語!
選挙無関心を引き起こす悪者を、選挙の候補者と民主主義が倒すというストーリー MT @ylekioski: Kuka meillä on huomisen jälkeen pressana? #presidentinvaalit2018 pic.twitter.com/aT6Sy62mcH— 駐日フィンランド大使館 (@FinEmbTokyo) 2018年1月27日
フィンランド大統領選へ人々を無関心にさせる悪役
ストーリーは赤色の悪魔が突然登場して、人々をビームで選挙への無関心を誘います。これを阻止しようと、フィンランド大統領選の候補者が実名でアニメに登場して、赤色の悪魔と戦うという内容です。
要するに「無関心は悪である」というメッセージを伝えたいのでしょう。
アニメの舞台となっているのは元老院広場でしょうか。ヘルシンキ大聖堂を背に激しい戦いを繰り広げています。
日本語で語られていることはもちろん、ちょこちょこどこかで見たようなアニメっぽいシーンが登場します。
ちなみに「KIOSKI(キオスキ)」はフィンランドのコンビニの名前です。JRの駅にあるキオスクも似ていますが、役割はちょっと違いますよね。
学生服の男女:今回はフィンランドが大変だ!
悪(ドラゴン○ール風):はっはっはっ、弱いフィンランド人ね。私は「有権者の無関心」。
学生:お前は低いパーセンテージのキュウダイ(?)だな!あまりにも選挙がたてこんでいる時に現れる人を退屈させる力を持ったモンスターだな!
大統領選の低投票率はフィンランドの悩み?
どうやらアニメは、低投票率に悩むフィンランドで投票率アップのための啓発として作られたようです。
アニメ内では「結果はもう決まっているのに…」という身もふたもないセリフをしゃべっています(笑)
ちなみに、今回の大統領選における投票率は66.7%。2000年代までは80%だったのが、70%、60%台と投票率が落ち込んできました。
結果だけ見たら、アニメの続きは「無関心」が勝った、ということになるのでしょうか…。
フィンランド大統領選候補者の立て札がカッコいい
そういえば、2018年1月の旅行でも、大統領選の候補者が盛んに立て札を立てていました。
日本の選挙でも立て札はよく見ますが、ポスターに個性があって、いちいちカッコいいなあと思ったのが正直な感想です。
候補者にはそれぞれ番号が振られていて、番号でも覚えやすいということなのでしょうか。個人的に最もインパクトがあったのが4番の人。顔のアップだけデザインされているのですが、この人のポスターはとにかくたくさん貼られていて、印象が強いです。
ユニークなPR動画といい、選挙ポスターといい、フィンランドはユーモアに富んだ国だと改めて好印象を抱きました。